クローゼット

 

断捨離を試みた。ひとりになりたい夜に突然はじめることがある。遅いから次の休みにやろうってなることが多いのだけど。

本当は、タイトルを「断捨離」にする予定だったのに、要不要を分別しているうちに、服の系統がばらばらなことに気づいた。いや、元からそんなこと知っていた。なりたい自分が多すぎる。

スカートもパンツも、柄物もレースも、赤も青も白も黒も全部なりたい私で、クローゼットが足りないや。

なりたい自分別にクローゼットがほしい。本当は髪だって切りたいよ、染めたいよ、でもそれを望まない誰かと一緒にいるんだもん。望まれていない私は葬らなければならない。

ショートのウィッグも、金髪のウィッグも、茶髪ボブのウィッグも捨ててしまったけど、本当になりたい私なんてなくて、全部なりたい私で、それが全部私なんだもんね。受け入れて欲しかったな。

全身黒はすきじゃないとか、ショートよりロングがいいとか、カラコンするなら裸眼の方がいいとか、パンツよりスカートがいいとか、肌は見せてほしいとか、ヒールを履いて欲しいとか、ピアスはしてほしくないとか、なりたい私の1部でしかなくて、私はずっとその私でいるのは狭くて苦しい。

すきなときに、すきなわたしで、すきなひとと、すきなところに、いきたいなあ。

ピアスはしたいし、髪も切りたい。あなたが選んでくれた水色のワンピースもすきだけど、私は真っ黒のワンピースが大好きだった。断捨離して、あなたがすきじゃないって言うから2、3年着てないけど、前回の断捨離でも、前々回の断捨離でも捨てられなかったみたい。

人生で一番好きだった人のことを忘れられない私が着ていたワンピースなんだよ、捨ててしまったら自分を全否定するような気がしてしまう。

 

短いスカートも、ヒールも、メイド服も、モコモコのパジャマも、かわいいよ、かわいくて、だいすきだけど、窮屈でたまらないや。