真綿に針を包む。

恋愛でもそうだけど仮に嫁さんできても忘れられない人っているもんだよね
10代の人は驚くかもしれないけど確実にそういう人っているんだよ だけどそこに甘えちゃいけない 自分はこの人といるって決めたんだって思える人とでなきゃ結婚なんてしたくない


なんて、私の言葉ではないけれど、誰かの言葉で。わたしにとってその忘れられない人がその誰かで。
ひとりになりたいときに思い出してしまって、また私は好きにすがりついていて、幸せではない記憶で誰かを責めて、幸せではない記憶で今の私のことも不幸にしている。もう取り戻せない世界の話。
" 忘れられない人"という事実は変わらなくて、仕方のないことだけど、現状、私がその人のことを"好きな人"と呼ぶのが大問題なので、"人生で一番好きだった人"としている。
髪が好きだった、手が好きだった、私のことをすきなところが好きだった、好きになってくれないところが好きだった、吐き出す言葉が大好きで、声が好きだった。
私の拘る"すき"と"好き"なんて違いは誰にも理解されなくて、声に出したら違いなんて誰にもわからなくて、それでも私は好きだった。
ひとりの自分がすきだ。音楽を聴いている自分がすきだ。何かに不安になっていて、自信がなくて、それでも何故か私はそんな私がすきだった。
と、誰かといる自分が不幸であるということ、誰かといる自分を否定しているということ、本当はそんなことないはずなのに、私はそう思おうと必死になっている。

Twitterで見たくないものを見ないように、ブロックとかミュートとか必死で自衛しても、それが誰かにとって不快で、可笑しいみたいで、そんなのも全部苦しくて、すきなことをすきということも人の目を気にしてしまって、ただただ疲れてしまうので私は、適当に言葉をぽつぽつと書いて、心のバケツの水をちょっとずつ捨てていく。
またひとりになって、その時思い出す誰かは、私が今一緒にいる人なのか、それとも何も変わらず、"忘れられない誰か"なのか、ひとりになる未来なんて全然見えないけど、ぐるぐるぐるぐる考えてる。