憧れで彩られた世界

 

好きだったのではなく、憧れていた。気がする。きっと私の恋愛的好きは、私のことをそういう風に見てくれて、私のことが可愛くて、私のことが大好きな人に対して抱く感情で、自ら抱いた好きは、憧れで、なりたいの反映だと思った。

人生で一番好きだと思っていた人がまさにそれだった。歌を歌っていて、何かを表現していて、何かを創り出していて、ピアスをしていて、好きに髪を切って、染めて、好きな服を着ていて、欲に忠実で、誰かを幸せにして、誰かを不幸にして、本当に好きだと思う人と付き合って、友達がいて、でもちゃんとひとりだった。

きっとそんなところが大好きで、憧れていたんだ。だからもう、終わらせたかった。とっくの昔に終わっていたの。自分で終わりを告げたの。それなのに、ずっと何かを期待していた。連絡が来るたびに自分と戦っていた。もう連絡は来ないし、LINEもブロックされた。それでもプロフィールを更新されたらこちらに表示されて、それを見かけるたびにつらかった。ちゃんと好きで、見るたびに私もこうなりたいと思っていた。

LINEは、ブロックした。削除はしていない。いつでも見られるように、いつでもまた追加できるように。また私は、馬鹿みたいに、またねがあればって思ってしまっている。馬鹿みたいなんじゃなくて馬鹿なんだ。