昇華

 

 

気持ちが遠のく感覚というか、空気にすっと溶けていく感覚というか。

私の感情はそこにあるのに、どこにも行き場がない感じ。何も満たされない感覚。

あの頃に似ている何か、人生で1番好きだった人がいて、その人への感情の行き場を完全に失って、別れを告げて、最後に、貸したもの全て返してほしいと伝えて、うちに来て、ものを受け取って、でも、私が返してほしかったのは、行き場がなくなって、空気に溶けた私の感情だったのだと思う。

大泣きして、興奮されて、なぜかえろいことさせられていたという記憶。泣き顔に興奮する人だったな、そういえば。結局それが最後にはならなかったのだけど。

と、なんとまぁ私の記憶を掘り返すような会話を今日、誰かとしたような気がして。なんだかちょっと、胸が苦しかったりなんかしちゃって。

 

あぁ、なんか、昇華した気がする。言葉を綴ることで、昇華された気がする私の感情。

何も聞かずにぎゅってして。