待ち時間

 

 

 

ブラジャーのホックを外さなくても私の全てをわかってほしかった。

 

あなたは、どのくらい待つことができますか?遅刻した人を待つとか、ディズニーでアトラクションを待つとか、飲食店で食事の提供を待つとか、なんでもいいの。私はたぶん、待ててしまう。せっかちな人を少し怖いと思ってしまうくらい、私はゆっくりで、のんびり生きている。だから新宿駅は怖いし、人混みは嫌いだ。急いでいる人が多すぎる。

いくらでも待ててしまって、待ち時間が苦ではなくて、ごめんなさい。待ててしまうから人を待たせてしまうのかもしれない。

会えたら会おうねとか、今度会おうねは、私の中で何ヵ月とか、長ければ数年とか、いつか会おうくらいの話で、でも、相手は明日とか今週とか、近くの話をしているかもしれないね。

いつまででも待つよ、いつかあなたと一緒になれるなら。って私もそう思っていたけど、そんな保証もなかったし、私はただつらいだけだったから、一緒にいる時間だけ、ほんとにそれだけが幸せで、目の前にいない時はいつでも不安で、寂しくて、悲しかった。私は待てると思っていた、だけど無理だった。だからさよならを告げて、そして自由になったのだと思う。人生で1番好きだと思っていたから、いくらでも待てると思っていた。

もしかしたら私は、誰かに同じことをしていたのかもしれない。いや、人生で1番好きな人なんてそんな大それた存在にはきっとなれないけど、誰かを待たせて、不安にさせて、それなのに縋って、頼って、傷付けていたんだ。私はお利口さんにはなれなかった。きっと仲間だ。

 

 

 

あぁ、今度は、待てのできる犬を飼おう。お利口さんの、犬になろう。