ちゃんと思っていることを伝えてくれる人を失ったとき、その人の言葉が、思っていた以上に自分の中に残っていることに気付くんだね。好きなんて言葉、すぐ消えてしまうのに、言ってくれる人がいなくなった途端に、何よりも尊くて、もっとちゃんと言ってって思ってしまうのなんでだろう。不思議だ。
今気付いても、きっと次の誰かの時は忘れちゃうんだよね。ちゃんとメモしよ。きみは冬が嫌いだってこともちゃんと書いておかないと。いつかきっと忘れてしまって、思い出せなくなっちゃうからね。
もっと、ちゃんと、言って、じゃなくて、私が言わなければいけない何かがきっとあったんだろうな。言うだけではだめな何かがあったんだろうな。
あのね、
全部、全部無駄じゃなかったって、もっと、ちゃんと、言ってね。最後にちゃんと言って。自分に自信がなくて、不安になって、悲しくなっちゃう誰かに。ちゃんと言って。あなたは素敵な人だと肯定をして、ちゃんと好きだったよと、言って。